本文へスキップ

株式会社ANCラボはアクティブ騒音制御(ANC)を専門とする会社です。

TEL. 078-795-5597

〒654-0103 神戸市須磨区白川台6-4-44 尾崎ビル3F

ANC(アクティブ騒音制御)とはANC 101

ANC(アクティブ騒音制御)の基本

ANCの必須事項

ANCを設置してたったの1dB(?)


ANC(アクティブ騒音制御)の基本

ANC-101

 アクティブ・ノイズコントロール(能動的騒音制御 ANC: Active Noise Control)の基本は、騒音を打ち消すために逆位相の音を制御スピーカーから出力することです。 実際には、騒音は時々刻々と変化しているので、それを打ち消す音もそれに応じて変化させなければなりません。
 そのために騒音源に近い信号(レファランス信号と呼ぶ)や制御点(エラー信号と呼ぶ)の騒音を常に監視し、 打ち消すために出力する音(制御出力と呼ぶ)を計算により作り出しています。
 このように環境や相手に応じて変化させる制御を「適応制御」と呼んでいます(制御装置が勝手に考え、最適に制御します)。
 振動を制御する場合も同様で、マイクを加速度センサ、スピーカーを加振機に取り替えることで実現できます(アクティブ振動制御)。


空調ダクトでのフィードフォワード騒音制御システム

 騒音の上流に配置したマイクロフォンでレファランス信号(参照信号)を入力し、コントローラで二次音源(制御音源)から出力する逆位相音を計算します。 コントローラは下流にあるマイクロフォンでエラー信号(評価点)を入力し、評価点における信号パワーが最小となるように学習し制御特性を変化させます。


フィードフォワード制御

ANC-Octet wall

 騒音がランダム信号である場合、騒音源に近い上流にマイクを設置し、先回りをした逆位相制御音で騒音を打ち消します。 これをフィードフォワード制御と呼びます。 空調ダクトや防音壁に使われているシステムです。


フィードバック制御

ANC-Duo exhaust outlet

 騒音が周期性信号である場合、騒音源に近い場所に制御スピーカーを設置し、一週遅れの逆位相制御音で騒音を打ち消します。 これをフィードバック制御と呼びます。 ディーゼルエンジンの排気管出口で使われるシステムです。


ANCの必須事項

音の伝搬方向へ制御(上流から下流へ)

control only down the stream

 騒音の伝搬方向とは異なる方向に制御しようとすると、干渉縞ができ、増音箇所が発生します。


騒音と制御音の曲率を合わせる(波面を合わせる)

Adjust phase=

 制御スピーカーが騒音源から離れている場合、広範囲で波面を合わせるために複数個の制御スピーカーが必要です。


直接音のみの制御

Control only direct wave=

 反射音を制御しようとすると、騒音の伝搬方向とは異なる方向から制御することになり、干渉縞ができて増音箇所が生じます。


ANCを設置してたったの1dB(?)

ANCを設置したけれど

 ANC装置を設置して、工場や工事現場の敷地境界で騒音計でその効果を計測します。 ANCをON/OFFして騒音レベルの差を見てみると1〜2dB(A)程度、またはほとんど誤差範囲しかない...と言うことは良くあります。 ON/OFF時の差を聞いてみても、よく分からないと感じます。

 では、高価なANC装置を設置する価値はそれほどないものなのでしょうか

 計測点とANC装置は離れており、計測点の近くには他の騒音源があるため、敷地境界ではそれらの暗騒音によって騒音レベルが上がります。
 聞いた感じで変わらなくなるのは、暗騒音によるマスキング効果も原因の一つになります。

 本当にANCの効果は小さいのか、以下の実験で確かめます。

減音量1dB(A)の意味

 敷地境界で1dB(A)の減音効果の"意味"を下記実験で確認します。

(1) 実験方法

 a) 暗騒音として、40Hz〜1KHz帯域のランダム信号をスピーカーから出力し、約60dB(A)となるようにレベルを調整します。


 b) 低周波騒音として、60Hzのサイン波をランダム波にミックスしてスピーカーから出力し、約1dB(A)増音するレベル 61dB(A)になるようにサイン波レベルを調整します。


(2) 騒音レベルの差

単位 60Hz有り  60Hz無し  差 
 dB(A) 61  60 

 63Hz帯域の低周波帯域が、僅かに出っ張っているのが分かります。

(3) 時間波形

 低周波音により相当な不快感が差として分かりますが、それでも1dB(A)の差しかないとはどうしてなのでしょうか。
 上記実験時のマイク入力の時間波形を、低周波音の有無時において示します。 時間波形では、歴然とした差を観測することが出来ます(!)。


(4) A特性での騒音計測

日本では騒音計測に、「人間が感じる音の大きさに等しい量を計測するようにA特性」を用います。 A特性(JIS)では、測定された音圧から下表の補正値を差し引きます。

 A特性補正値(JIS)抜粋 
中心周波数(Hz)  補正値(dB) 
 50 -30.2 
63   -26.2
80  -22.5 
100  -19.1 
125  -16.1 
160  -13.4 
200  -10.9 
... ...
1000 

 低周波騒音の63Hz帯域では、26.2dB 差し引くことになっています。 だから60Hzの騒音レベルは際立っていないようにグラフで表れます。

(5) A特性を外した音圧レベル

 A特性重み付けを外して、平坦な特性として計測すると下記のようになります。 音圧レベルの差は 20dB にもなります。

 単位 60Hz有り  60Hz無し  差 
dB(F)  83  63  20 


 A特性で評価することで、減音量が著しく劣って言うように見えることが分かります。 つまり、ANCによる効果がたったの 1dB しか無いように見えたものが、平坦な音圧レベルでは 20dB も減音していたことになります。
 注意) 暗騒音を40〜1000Hzとして実験していますが、減音量は暗騒音によって変わります。

(6) 室内では

 隣接する住宅の中では、壁や窓ガラスにより騒音は減衰します。 ただし、減衰するのは高周波領域であって、低周波数騒音は減衰せずに室内へ入り込みます。 ここで、A特性での騒音計測に戻り、同様の実験において暗騒音の帯域が中低周波数以下になったと仮定して低周波音の有無(ANC効果の有無)の差を計測します(A特性評価に戻る理由は、フラットな特性でON/OFF計測した場合、もとより減音効果が十分にあるからそれほど数値に差が出ません)。
 高周波領域が減衰した室内では、A特性で計測しても、低周波音の有無の差がはっきりしてきます。

 暗騒音帯域(Hz) 60Hz有り  60Hz無し  差 dB(A)
40 - 1000  61  60 
40 - 500 60  50  10 
40 - 200  59  42  17 


 高周波音が既に減音している室内では、ANC設置による効果がはっきり分かります。 暗騒音が200Hz程度の時は、室内では42dB(A)とかなり静かなのですが、60Hzの低周波騒音が入ってくると59dB(A)までに跳ね上がります。 しかも低周波音が強調されているため、人にとって不快な環境になります。



バナースペース

株式会社ANCラボ

〒654-0103
神戸市須磨区白川台6-4-44
尾崎ビル3F

TEL 078-795-5597(担当:粟田)
FAX 078-797-2193